マイナンバー制度とは?メリットとデメリット、注意すべき点は?
2016年1月から始まる「マイナンバー制度」
その通知カードが届き始めているところですが、何となく釈然しないなあ、と感じていませんか?
どことなく他人事のような気がしてしまうのは、このマイナンバー制度が何の為に始まって、私達の生活にどのように影響が出るのかがよく分からないからではないでしょうか
そこで「マイナンバー制度」について、
・何を目的にした制度なのか
・我々にとってメリットやデメリットはあるのか
・通知カードが届いている場合、何に注意をしたら良いのか
について、簡単に説明したいと思います。
マイナンバー制度とは何を目的にして導入されるのか?
マイナンバー制度が始まると、国民一人ひとりに12桁の番号が割り振りされる、
とここまではみんなニュースなどで知っていると思います。
ではこの番号は何のために与えられるのでしょうか?
政府の説明によると
12桁の番号を使うことにより、今まで煩雑だった行政手続きが簡素化され効率よくなるとしています。
例えば引越しをすれば、転入出届けを出したり、運転免許や自動車の登録の変更などそれぞれの役所で手続きをしなければなりませんが、マイナンバー制度によって一発で変更が可能になる、ということです。
これは確かに便利で快適になりそうですが
本来の目的とは違います。
マイナンバー制度の本来的な目的は「納税者番号制度」なんです。
これは全ての情報を一本化することにより所得を把握して、適切な税金を徴収するために導入された、というのが本筋です。
マイナンバーと預金口座のひも付けは、2018年からは任意で、2021年からは義務化される見通しです。
するとより国民の財産を把握することができ、収入があるのに不正に生活保護を受けることをなくすことが出来るなど、社会保障費の増大を抑えたいということも目的の一つです。
マイナンバー制度のメリットとデメリットは?
メリットについて
サラリーマンの場合、税金は給料から天引きされているので所得の9割は税務当局に把握されていると言われています。
これが自営業者だと6割、農家の場合は4割しか把握されていません。
(いわゆるクロヨンと呼ばれる問題です)
つまり自営業者の場合は所得を操作することができるので、ガラス張りになっているサラリーマンからすると不公平感があります。
しかしマイナンバー制度の導入により、全ての職種に関して透明化が図られる事になります。
この「税負担の公平性」というのが国民にとっての最大のメリットと言えます。
(もっともサラリーマンにとってみれば、不公平感がなくなるだけで、収める税金が減るわけではないので今までと何ら変わることはありません)
デメリットについて
会社に内緒で副業(アルバイト)をしている場合、税務署に副業の収入が把握され、さらに会社にバレてしまうという可能性があります。
アルバイト先でもマイナンバーの提示を求められますので、税務当局に副業の収入が分かってしまいます。
本業と副業を合わせた収入に対して住民税がかかってくるので、その額が多いと会社に気づかれてしまう可能性があります。
現在、副業禁止規定のある会社に勤めていてアルバイト等をしている人は注意しなければなりませんね。
さらに、これら以上のデメリットといえば、「情報漏えい」のリスクです。
マイナンバーを多く把握している大企業にサイバー攻撃などがあった場合、12桁の番号から収入、家族構成、預貯金などありとあらゆるものが漏れてしまう可能性があります。
情報漏えいについては厳しい罰則が適用されるとなっていますが、今までの行政の対応を見ているとどこまで信用して良いのか不安になってしまいますね。
マイナンバー通知カードが届いたら注意すべきことは?
通知カードは郵便局員が簡易書留で届けてくれます。
家族全員分の通知カードが世帯主に対して送られてきます。
届いたらまずすべきことは
世帯全員分のカードがあるかチェックすること
通知カードにはマイナンバーと氏名、住所、生年月日、性別が記載されているので必ず確認して、もし間違っていた場合は、同封されている宛名台紙に書かれた自治体の窓口連絡先に連絡してください。
通知カードは切り取るとクレジットカードと同じ大きさになります
当面は通知カードを持ち歩く必要はありません。
サラリーマンは会社に対して提出することもあるでしょうが
それ以外で使うことは当面ないので家でしっかり保管しておきましょう。
保管する場所は、健康保険証やパスポートと同じように管理しておくと忘れないので安心です。
(仮に紛失した場合は再発行もしてもらえます・・・500円の手数料必要)
マイナンバーを流出させない自衛策を講じる
マイナンバーの番号は一生変更することができません。
なので流出してしまうと取り返しのつかない事態にも成り兼ねません。
番号の管理は徹底して行なう必要があります。
まず、マイナンバーの提示を求めることが出来るのは、基本的には行政期間や勤務先など決まっています。
その他の場所、例えばスポーツクラブに入会する時や何かの会員になる時にマイナンバーを見せるように言われることはありえませんので、もし提示を求められたらキッパリと断りましょう。
今後住民票を取る場合、マイナンバーの記載があるものと無いものを取得できますが、マイナンバーの記載のない住民票を取得するようにしましょう。
通知されたマイナンバーは何に使われるの?
2016年の1月からは、ハローワークで雇用保険の給付を受ける場合
2017年からは税務署での確定申告をする場合に提出が求められます。
会社勤めをしているサラリーマンは2015年の年末に早速必要になります。
12月に入ると毎年年末調整の書類を提出しますが、その場合にマイナンバーの提出が求められます。
まとめ
マイナンバー制度は全国民が対象となっている制度です。
分かり難いことも多々ありますが、全くの無関心や無知では自分が損をすることも起きてくるかもしれません。
少しずつでも情報収集をし勉強をして、制度によって自分が損をしないように知識武装する必要がありますね。